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行政書士法人メイガス国際法務事務所

廃棄物・中古品に関する法務サービス

廃棄物・中古品の輸出入に関する主な規制の概要

廃棄物、中古品、用途廃止品の輸出であっても、外為法上の該非判定や輸出管理等は必要になります(詳しくはこちら)。

また、中古品についても状態等によっては、廃棄物として輸出入の手続を行う必要があります。つまり、中古品が廃棄物とみなされてしまい結果的に廃棄物移動規制に違反することのないように、注意するポイントがあります。例えば、中古のUPS(無停電電源装置)を稼働状態不明のノークレーム・ノーリターン品として輸出する際に、実際は内蔵の鉛蓄電池が不稼働状態にあったとして貨物が税関で止められ、特定有害廃棄物等に該当する使用済み鉛バッテリーが混入した貨物の未承認輸出未遂として厳重注意を受けた事例もあります。よって、鉛バッテリーなどバーゼル法で規制される中古品を輸出する際は、廃棄物とみなされないようにチェックする必要があります。他にも、香港向けのモニター輸出等で、中古品として輸出したものが不適切な廃棄物輸出であるとしてシップバックを受ける事例が近年頻発しています。

廃棄物の輸出入を行う場合、廃棄物処理法(廃掃法)や特定有害廃棄物輸出入規制法(バーゼル法)の規制が適用されます。(なお、放射性廃棄物の輸出は承認されません)

廃棄物によっては、廃掃法上の廃棄物と、バーゼル法の特定有害廃棄物の両方に該当するため、両方の規定を守らなければならないものもあります。また、どちらか片方だけに該当する廃棄物も存在します。

画像出典:経済産業省・環境省 

行政書士法人メイガス国際法務事務所では我が国のバーゼル法・廃掃法や、各国の廃棄物・中古品関連規制に基づき、廃棄物・中古品の輸出入を円滑に行うための総合的なコンサルティングサービスを提供しております。


廃棄物の輸出

廃棄物の輸出を検討する際は、以下の流れとなります。

①輸出しようとする廃棄物がバーゼル法上の特定有害廃棄物や、廃棄物処理法上の廃棄物に該当するかどうか判定する。 

②法定記載事項を含んだ契約書を作成する。 

③輸出しようとする廃棄物がバーゼル法以外の法令で規制されていないか判定し、必要があれば許可・承認・確認等を受ける。

④経産省から輸出承認・輸出移動書類の交付を受け、輸出する。

⑤輸入者から、特定有害廃棄物の受領や処分等を行ったと報告を受けた場合は、環境省に対して処分完了通知等を行う。 


①輸出しようとする廃棄物がバーゼル法上の特定有害廃棄物や、廃棄物処理法上の廃棄物に該当するかどうか判定する。

バーゼル法の特定有害廃棄物であるか否かは特定有害廃棄物等省令に基づいて判定します。

但し、グリーンリスト対象物である廃棄物であって、リサイクル目的でOECD加盟国に向けて輸出する場合はバーゼル法の規制対象外となります。

なお、分析試験目的での輸出の場合は廃棄物の種類や量、輸出先国により規制対象外となる場合がありますので、詳しくはご相談下さい。  


②法定記載事項を含んだ契約書を作成する。

廃棄物等の運搬及び処分について、申請者、運搬者、輸出者及び処分者の間の契約書等が必要です。また、当該契約には、廃棄物の処理又は再生品の販売を適切に行うことができない事情が生じた場合や、契約を解除した場合、輸出される特定有害廃棄物等の運搬又は処分を契約に従って完了することができない場合等において、代替的に運搬又は処分を行う者や、シップバックの費用負担に関する事項が含まれていることが要求されています。


③輸出しようとする廃棄物がバーゼル法以外の法令で規制されていないか判定し、必要があれば許可・承認・確認等を受ける。

廃掃法上の廃棄物を輸出する場合、環境大臣の輸出確認を受ける必要があります。輸出確認は以下のいずれかに該当する場合であって、かつ、国内の処理基準を下回らない方法で処理されることが確実であること等が要求されます。

・国内における当該廃棄物の処理に関する設備及び技術に照らし、適正な国内処理が困難であること

・輸出の相手国において再生利用されることが確実であること

・分析試験の用に供すること


また、輸出確認を受けるために次のような資料が必要とされることがあります。

・輸出相手側が保有する分析設備、計量設備

・輸出相手の処分施設に適用される輸出の相手国の法令・処分基準の概要

・輸出相手の処分施設が相手国から交付を受けている許可証

・輸出相手の処分施設が過去に環境法令関係の違反を犯していないことの誓約書

・輸出者の過去3年分の決算書類


④経産省から輸出承認・輸出移動書類の交付を受け、輸出する。

特定有害廃棄物については、バーゼル条約の非締約国への輸出や、南緯60度以南の地域における処分のための輸出は承認されません。また、特定有害廃棄物の輸出について輸出の相手国及び条約の締約国である通過国から書面による同意を得ていることが必要となります。

なお、輸出の相手国等において特定有害廃棄物等の輸入、運搬又は処分について保険、供託金その他の保証が義務付けられている場合があります。その際は必要な措置が講じられていることを示さなければ輸出が承認されません。



廃棄物の輸入

廃棄物の輸入を検討する際は、以下の流れとなります。

①輸入しようとする廃棄物がバーゼル法上の特定有害廃棄物や、廃棄物処理法上の廃棄物に該当するかどうか判定する。

②法定記載事項を含んだ契約書を作成する。

③輸入しようとする廃棄物がバーゼル法以外の法令で規制されていないか判定し、必要があれば輸入許可を受ける。

④経産省から輸入承認を受ける。

⑤輸入移動書類の交付を受け、特定有害廃棄物を輸入する。

⑥特定有害廃棄物の受領や処分等を行った場合は、バーゼル法に基づき受領通知や処分完了通知、処分完了届出等を行う。


①輸入しようとする廃棄物がバーゼル法上の特定有害廃棄物や、廃棄物処理法上の廃棄物に該当するかどうか判定する。

バーゼル法の特定有害廃棄物であるか否かは特定有害廃棄物等省令に基づいて判定します。 

但し、グリーンリスト対象物である廃棄物であって、リサイクル目的で輸入する場合はバーゼル法の規制対象外となります。

なお、分析試験目的での輸入の場合は廃棄物の種類や量により規制対象外となる場合がありますので、詳しくはご相談下さい。 


②法定記載事項を含んだ契約書を作成する。 

特定有害廃棄物等の運搬及び処分について、申請者、運搬者、輸出者及び処分者の間の契約書等が必要です。また、当該契約には、輸入する特定有害廃棄物等の運搬又は処分を契約に従って完了することができない場合において代替的に運搬又は処分を行う者及び費用負担に関する事項が含まれていることが要求されています。


③輸入しようとする廃棄物がバーゼル法以外の法令で規制されていないか判定し、必要があれば輸入許可を受ける。

国内諸法令に基づく許可等が必要な場合にあっては、当該許可等を受けていることも必要となります。

(例:廃棄物が火薬類取締法上の火薬類に該当する場合は、火薬類取締法第19条に基づく運搬証明書の交付を受けていること。毒物劇物取締法上の毒物・劇物に該当する場合は、毒物劇物取締法第4条に基づく毒物・劇物の輸入業の登録を受けていること。)

廃掃法上の廃棄物であって、環境大臣の輸入許可を受ける必要のあるものについては、当該輸入の許可を受けていることも併せて確認されます。なお、廃掃法上の廃棄物を輸入した者は当該廃棄物の排出事業者とみなされます。

環境大臣の輸入許可を受けるに当たっては、運搬経路や廃棄物を生じた施設の排出工程図などと共に申請しなければなりません。


④経産省から輸入承認を受ける。 

バーゼル条約の非締約国からの特定有害廃棄物の輸入については輸入が承認されません。


⑤輸入移動書類の交付を受け、輸入する。

輸入承認を受けた後、特定有害廃棄物を実際に輸入しようとするときは、バーゼル法第9条第1項の規定に基づき、輸入毎に輸入移動書類の交付を受けなければなりません。このため、移動回数が一回ではなく複数回にわたるものとして、輸入承認が行われた場合、輸入を行おうとする毎に輸入移動書類の交付を受けなければなりません。

また、貨物の運搬又は処分を行う際は、輸入移動書類を携帯しなければなりません。

なお、OECDが推奨する国際様式であれば日本国内でもそのまま移動書類として使用できます。

輸出国の国内法令ではバーゼル条約の規制対象貨物とならないが(ゆえに通告書も移動書類も発行されない)、我が国のバーゼル法では規制対象貨物となりこれを輸入する場合、輸出国・廃棄物によっては、通告書の代わりに輸出国の国内法令で規制対象となっていない事を示す根拠となる法令条文の和訳・英訳資料等を経産省へ提出する必要があります。

また、移動書類についても所定の様式を用いて作成する必要があります。


⑥特定有害廃棄物の受領や処分等を行った場合は、バーゼル法に基づき受領通知や処分完了通知、処分完了届出等を行う。 

貨物の引き渡しを受けたとき及び貨物の処分を行ったときは、バーゼル法第13条の規定に基づき、輸入移動書類に係る貨物の(最終)処分を行う者は、受領通知や処分完了通知を行う必要があります。

輸入移動書類に係る貨物の(最終)処分を行ったときは、バーゼル法第12条の規定に基づき、処分完了の届出を行う必要があります。


廃棄物関係の許認可対応

廃棄物の輸出入に際しては、輸出許可とは別に、産業廃棄物処分業許可証等の産廃関係の許認可も必要となることがあります。ご不明な方は、以下の①及び②の情報を頂ければ、弊所で必要な許可の種類を特定し、申請を支援致します。

①申請の経験はありますか?(例:もう失効しているが、かつては処分業許可証を取得していた、等)

②許可の種類等の特定のために、以下の情報を教えて下さい。

1,何を運ぶか

2,どこからどこへ運ぶか

3,積み替え保管の有無は?

※積み替え保管とは自社施設に廃棄物を保管したり、自社施設で廃棄物を積み替えたりすることがない場合をいいます。

※収集元と運搬先が県をまたぐ場合、両県からの許可が必要となります。

※積み替え保管も行う場合は、事前計画書を提出して事前審査を受ける必要があります。事前計画書の内容は、施設の案内図や写真、施設内の配置図、保管場所の詳細、作業手順など多岐にわたります。

手順とタイムスケジュールとしては、申請書類が完成してから(申請書類の準備だけで数カ月かかる可能性が有ります)、申請予約を行います。予約が取れるまでに1~2か月以上かかることもあります。また、審査開始から審査が終わるまで3か月ほどかかることもあります。従って、申請書類の準備の期間を除いても5カ月ほどかかることもあるとご承知おき下さい。