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行政書士法人メイガス国際法務事務所

水銀・水銀化合物に関する法務サービス

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水銀・水銀化合物・水銀使用製品の輸出入に関する主な規制の概要

水銀及び水銀化合物並びに水銀を使用した製品(電池、ランプ、計器等)の輸出入に当たっては経済産業大臣の承認が必要となります。濃度によって承認の条件が異なります。

水銀化合物としては、塩化第一水銀、酸化第二水銀、硫酸第二水銀、硝酸第二水銀、硝酸第二水銀水和物及び硫化水銀、辰砂が輸出令別表第二の規制対象とされています。

また、テルル化水銀カドミウムの単結晶、テルル化水銀カドミウムを用いたスキャニングアレー、テルル化水銀カドミウムを用いたステアリングアレーは輸出令別表第一の規制対象とされている為、輸出に際しては経済産業大臣の輸出許可が必要となります。



水銀・水銀化合物・水銀使用製品の輸出

水銀・水銀化合物・水銀使用製品の輸出を検討する際は、以下の流れとなります。

①輸出しようとする水銀等が輸出可能かどうか判定する。

②経産省に対して輸出承認又は輸出許可を申請する。

③輸出を行う。

④輸出実績を報告する。


①輸出しようとする水銀等が輸出可能かどうか判定する。 

水銀を使用している計器等であっても、以下の場合には輸出承認の対象となります。

・市民の保護及び軍事的用途に不可欠な製品である場合

・研究、計測器の校正及び参照の標準としての使用を目的とする製品である場合

・水銀を含まない実現可能な代替製品によって交換することができない場合におけるスイッチ及び継電器、電子ディスプレイ用の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)及び外部電極蛍光ランプ(EEFL)並びに計測器である場合

・伝統的な慣行又は宗教上の実践において使用される製品である場合

・保存剤としてのチメロサールを含むワクチンである場合

上記以外の水銀使用製品の輸出はできません。


②必経産省に対して輸出承認又は輸出許可を申請する。

輸出令別表第一に該当する水銀化合物・水銀使用製品の場合は輸出許可を申請します。

輸出令別表第二に該当する水銀・水銀化合物・水銀使用製品の場合は輸出承認を申請します。 

水銀を使用した圧力計等、製品によっては輸出令別表第一・第二の両方に該当する場合があります。

なお、輸出相手国が水俣条約やロッテルダム条約に加盟しているか否かによって輸出承認の条件が異なります。

輸出承認を申請する際は、最終需要者が水銀等を使用して製造する製品や当該製品の製造工程について内容の確認を確実に行う義務があり、最終需要者のホームページやパンフレット及び製造ラインの実在に関する資料等、製品製造や工程に関する資料をエビデンスとして申請書に添付する必要があります。


③輸出を行う。 


④輸出実績を報告する。 

輸出した水銀・水銀化合物について、最終需要者の名称及び所在地、最終需要者における受入日と受入量、最終需要者が受け入れた貨物の最終用途、貨物の使用量及び残量等について、当該貨物の全量が使用されるまでの間、輸出承認日から半年間毎の実績を期日までに経産省に報告する義務があります。



水銀・水銀化合物・水銀使用製品の輸入

水銀・水銀化合物・水銀使用製品の輸入を検討する際は、以下の流れとなります。

①輸入しようとする水銀等が輸入可能かどうか判定する。

②経産省に対して輸入承認を申請する。

③輸入を行う。

※なお、通常の化学物質と同じく化審法・化管法・安衛法等の化学物質管理に関する法令の対応を行う必要があります。


①輸入しようとする水銀等が輸入可能かどうか判定する。 

実験室規模の試験研究用での輸入の場合など一部の例外を除いて、輸入しようとする濃度95%以上の水銀が以下のものではないことを示す証明書が必要となります。

・平成29年8月16日以降に水俣条約の締約国等以外の国又は地域において新たに開発された鉱山から一次採掘された水銀

・クロルアルカリ設備の廃棄から生じる余剰の水銀


また、水銀を使用している計器等であっても、以下の場合には輸入承認の対象となります。

  • 市民の保護及び軍事的用途に不可欠な製品である場合
  • 研究、計測器の校正及び参照の標準としての使用を目的とする製品である場合
  • 水銀を含まない実現可能な代替製品によって交換することができない場合におけるスイッチ及び継電器、電子ディスプレイ用の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)及び外部電極蛍光ランプ(EEFL)並びに計測器である場合
  • 伝統的な慣行又は宗教上の実践において使用される製品である場合
  • 保存剤としてのチメロサールを含むワクチンである場合

上記以外の水銀使用製品の輸入はできません。 


②経産省に対して輸入承認を申請する。


③輸入を行う。